リゾットとお粥、見た目は似ているような気もするが…「リゾットって洋風のお粥でしょ?」と聞かれたことがある。確かに見た目はお粥といえばお粥に見えなくもないのだけれども、いざそう聞かれるときちんとした返答ができなかったことを反省して、調べてみることにした。

そもそもリゾットはイタリアの料理。それも北イタリアの伝統的な料理の1つ。イタリアといえばトマトやオリーブオイルをイメージする人も多いと思うのですが、それは南イタリアの特徴で、北イタリアには南と異なる地理的や歴史的な背景があるのです。
北イタリアの中央にあるポー川は、北と西にアルプス山脈、南にアペニン山脈があり、三方を山に囲まれた広大なパダーノ平原はポー川がもたらす豊富な水と肥沃な大地に恵まれた穀倉地帯。稲作が古くから盛んなことと、広大な平野の牧草地では牛の放牧が盛んに行われてきたことで、牛の乳を原料としたチーズやバターなどの乳製品も作られている。リゾットはそんな北イタリアの地で生まれたお米とチーズとバターをふんだんに使ったお料理なのです。

イタリア語で「リーゾrizo」と呼ばれるイタリア米は、何年か熟成された古米や古々米を好んで使うことが多いのだそう。それは古くなればなるほど硬化するため、パスタ同様アル・デンテを好むイタリア人ならでは。
リゾットも実はアル・デンテに仕上げるのが本場の作り方。しかしパスタのように芯を残すことではなく、しっかりとした弾力のある状態に仕上げるのが理想。よく噛んで食べることが基本となるリゾットなので、日本の優しいやわらかさのお粥とはかなり違うものということになるのです。

 

同じお米を「炊く」日本と、「煮る」「茹でる」イタリア。同じ稲作をしていても、国が違えば調理法も変わりますね。普段のご飯とは違う米料理に触れることで新しい発見があるかもしれませんね。

ちなみにCafeJBにもリゾットがメニューにあります。3種類のチーズ(シュレット・パルメザン・ゴルゴンゾーラ)を使ったチーズたっぷりのリゾット。本場イタリアの味に近づくことができるよう、これからも美味しさを追求していきたいものです。

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By cafejb